「美容室・ヘアサロンを開業したい!」
そう思い、物件を探そうと「美容室・ヘアサロン 物件」と検索しても、なかなか物件の情報も出ず、開業に向けて動き出せていない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、数々の美容室・ヘアサロン開業に携わり、その後の集客も半年足らずで200人以上集めて大きく軌道に乗せた筆者が、“美容室・ヘアサロン開業を成功させるための物件の探し方”を下記の流れでご紹介いたします。
この記事を最後までお読みいただければ、あなたが“その後の成功を掴むため”の美容室・ヘアサロン開業の1歩目である物件選びを乗り越えられるようになるでしょう。
美容室・ヘアサロン物件を選ぶ際に知っておくべきこと
美容室・ヘアサロンは”重いシャンプー台を置く”、”属人的なビジネス”、”基本的に予約制”など、少し特殊なビジネスになるため不動産オーナーからの制限も多く、物件探しを少し苦労する業界の1つと言えるでしょう。
「物件は探せたけど、結局美容室・ヘアサロンを開業できなかった…」といった事態にならないよう、事前に知っておくべきことを8つご紹介します。
物件オーナーからの美容室・ヘアサロン運営許可を取らなければならない
店舗で物件を契約する場合は、物件オーナーさんと業種の相談を必ずしなければなりません。
ただ不動産業界自体がかなり特殊で、オーナーさんが事業を気に入れるかどうかによって審査が降りるかどうか分かれます。美容室・ヘアサロンは機材の重さや複数人の出入りを懸念されこともある業界ですので、事前に運営許可が必要なことは把握しておきましょう。
内装ができるかどうかは事前に確認が必要
物件の状態によりますが、内装も物件オーナーさんと相談しながら進めていくことになります。
せっかくオシャレな内装デザインを発注したのに、オーナーNGで内装が出来なかった…といった方も見てきましたので、必ずオーナーさんに内装をする旨、どういった内装をするのかを事前に具体的に伝えておくことが重要になります。
シャンプー台・スタイリング台を考慮した耐荷重量を確認する
導入するシャンプー台によりますが、中には500kgを超えるものもあります。そういった機材を入れる場合は、建物の構造上設置が可能かどうかを事前に不動産オーナーや管理会社へ確認する必要があるため、重量を把握し不動産会社へ確認する必要があることを把握しておきましょう。
将来の想定売上から2割以内の賃料を目安とする
アクセスや立地が良ければ良いほど、賃料も高く魅力的な物件が多いです。しかし物件は2年契約以上がベースとなるため、今後の経営を考えると家賃が大きいと業績が悪化した場合に苦しくなります。(※渋谷に美容室・ヘアサロンを出した75%が3年以内に倒産するとも言われています)
そのため、集客の基盤があったり、マーケティングに自信がない方は、まずは賃料を抑えられる住宅街で小さめの広さからスタートできるようにしましょう。目安は1年後の売り上げの2割以内です。
初期費用を抑えるなら必ず居抜きで探す
美容室が経営不振に陥って店を撤退する際に、原状回復をせずに機材や内装をそのまま次の人へ譲ることを”居抜き”と言います。
この場合、開業費の多くを占める”内装費”がかからないため、初めて開業される方は特に居抜きの物件をお探しされることをおすすめします。
ただデメリットとして、何かしらの理由で経営不振には陥っているため、その理由を知り対策を打てない限りは同じことを繰り返すことになりますので注意しましょう。
都心であれば駅徒歩3分以内が理想
都心部に美容室・ヘアサロンを出される場合は、駅から徒歩3分以内に出すことを強くおすすめします。特に美容室・ヘアサロンは通い続けるタイプなので、駅から遠ければ遠いほど”サービス質が悪い”と認識されてしまい、同エリアの競合美容室・ヘアサロンに顧客を取られかねません。
後からやり直しは効かないので、物件探しのタイミングでしっかり選定していきましょう。
オフライン集客がメインであれば入り口はわかりやすい物件を選ぶ
集客の戦略によって、美容室・ヘアサロンは選ぶ物件が変わるでしょう。SEOやSNSなどのWEBを中心とした戦略であれば、さほど入り口などは重要にはなりませんが、看板やチラシなどをメインの集客戦略に入れていくのであれば、必ず入り口がわかりやすい物件を選んでいきましょう。
通りかかる人も広告対象になる他、どんなところか行ってから決めている人もいるためです。オフライン集客を上手にできれば、大きな集客効果も期待できるため、入り口も重要項目の1つと捉えて物件を探しましょう。
立地で今後の集客が8割を決まってしまう
集客の相談を多く頂きますが、渋谷で美容室・ヘアサロンを出店してしまった方のお手伝いは基本的に手遅れな状態です。
それほど店舗ビジネスにおいて”立地”は重要になるため、希望エリアでなくても、立地調査をしてから儲かるエリアで出店できるよう物件探しを行っていきましょう。
美容室・ヘアサロン物件を選ぶ前に必ずすべき立地調査のやり方
先述しました通り、美容室・ヘアサロン物件を探す上で、経営や集客に基づいて選ぶことが重要になります。その中でも、”立地調査”は美容室・ヘアサロン開業に切っても切り離せない関係にありますので、ここで立地調査の方法を詳しくご紹介します。
最寄駅からの商圏人口・性別・年代を調べる
まずは候補エリアの商圏(※商圏とは:ターゲットのエリア範囲)半径1km以内での、人口や性別、年代を調べましょう。美容室・ヘアサロンのコンセプトや料金によっても異なりますが、下記ポイントをおさえておけば基本的に問題ないでしょう。
【商圏人口・性別・年代の調べ方】
https://storestrategy.jp/
上記サイトの検索バーに駅名を入力すればOK
【結果から読み取るべきこと】
・人口:広告アプローチできる人数のポテンシャル
・性別:美容室・ヘアサロンの場合、女性が多いと有利
・年代:30代~40代が多いと集客しやすい
付近に建っているマンションの状況を調べる
Googleストリートビューや実際に現地へ赴き、実際に建っているマンションの状況を調べましょう。
該当エリアでの年収やチラシ集客のポテンシャルが、マンションの数や高さによってわかるようになります。Googleストリートビューだけだと、少し古い状況の可能性もあるため、最有力候補のエリアには実際に行ってみてリアルな雰囲気を感じ取られることをおすすめします。
路面の場合:物件の通行人口/日を調べる
路面店を出される場合は、1日あたりの通行人数などを事前に調べておくと、実際にどれくらいの人にアプローチできるかがわかるようになります。
美容室・ヘアサロン物件の上手な探し方
ご自身で目星をつけて物件を探すパターンと、物件探しまで完全に任せるパターンがあります。それぞれ詳しく解説いたします。
テナント特化ポータルサイトを活用する
ご自身でまず探すパターンとして、テナント特化のポータルサイトで検索することが挙げられます。テナントポータルサイトはいくつかありますが、不動産屋の方は共通して「at home」をおすすめしています。
at home:https://www.athome.co.jp/rent/03/
ただ1つ注意点として、問い合わせ先は不動産仲介会社になるため、料金(仲介手数料など)が安くなることは基本的にないため参考程度に留めておきましょう。次に紹介する“美容室・ヘアサロン物件に詳しい不動産仲介会社”に探してもらった方が、結果交渉もうまく行きやすくなることが多いです。
美容室・ヘアサロン物件に詳しい不動産仲介会社に探してもらう
先述した注意点や、立地、経営アドバイスなども踏まえたアドバイスを、通常の不動産屋さんは知りません。しかし、美容室・ヘアサロン業界に詳しい不動産屋であれば、諸条件の交渉や物件提案時に”本当に美容室・ヘアサロンが開業できる物件”を紹介してくれたりと、メリットがたくさんあります。
また、at homeなどに掲載されている物件についても、不動産屋共有のデータベースがあるため、どの仲介会社でも基本的に全て紹介できるのです。
そのため、パーソナルジム開業を始めてされる方や時間を短縮されたい方は、美容室・ヘアサロン物件に詳しい不動産仲介会社に依頼することを強くおすすめします。
不動産仲介業者の上手な活用方法
美容室・ヘアサロン物件探しは、業界に精通している不動産屋に依頼したほうが良いことは先述しましたが、依頼する際にどう活用していけば効率が良くなるかは事前に知っておくと今後の交渉などが格段にやりやすくなるため、ご紹介します。
立地候補をある程度決めて、複数エリアで一気に探してもらう
よく「池袋周辺で美容室・ヘアサロン物件を検討しています」といった依頼の仕方をされる方がいますが、少しもったいないです。
先述した通り、美容室・ヘアサロンが開業できる物件は制約が多いため、テナント物件の中でも非常に少ないのです。そのため、事前にいくつかエリア候補を決めたうえで、「池袋を中心とした沿線前後5駅と、できれば上野駅沿線前後5駅の中から、条件に合う物件を調べてほしい」といった依頼をすると、候補物件をいくつかもらえるようになります。
できるだけ細かく条件を事前指定する
賃料の条件や、求めている物件の情報は事前にできるだけ多く指定しましょう。内見後にミスマッチしてしまうとお互い時間の無駄になってしまうので、できるだけ細かく指定することをおすすめします。
【最低限出したほうが良い条件】
・オープン予定時期
・エリア候補(3つ程度)
・駅徒歩条件
・賃料上限
・広さ下限(坪数)
・絶対に欲しい条件
・シャンプー台の重さ
賃料や礼金を交渉せず、仲介手数料を交渉する
美容室・ヘアサロンの物件はそもそもあまりオーナーからの印象は良くないため、審査が通りにくいです。その上でさらに賃料や礼金の交渉などを入れてしまうと、余計に煙たがられてしまいます。
そのため、不動産仲介会社の仲介手数料を1ヵ月から0.8ヵ月程度であれば交渉は簡単にできるかと思いますので、ここの部分から交渉を進めてみることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
美容室・ヘアサロン物件の探し方を今後の運営や集客を踏まえたうえでポイントを解説させていただきました。
あなたの美容室・ヘアサロン物件探しのお役になれたなら大変光栄です。開業が上手くいくよう、心よりお祈り申し上げます。